「使わないと減らされる」生体基礎反応
体というのは非常に効率的です。各機能について使わなければ「いらないもの」として減らされていきます。例えば筋肉は使わなければ縮小していきます。おじいちゃん、おばあちゃんになると体が小さくなりますが、これは筋肉を長年使わないために縮小してしまい、体全体が小さく見えるという現象です。つまり「筋力低下による老い」ということです。
使わないことで減っていく二つの生体
先述の通り人間の体は基本的に使わなければ減らされてしまいますが、特に以下の二つは注意が必要です。
- 筋肉
- 脳
筋肉の減少
筋肉は使わないことで縮小していきます。筋肉の場合は厳密には「筋繊維(フィラメント)」という線のようなものが減っていきます。老人の体が小さく見える大きな要因です。
このフィラメントは細胞とは異なり、「なくなってしまう」というものではなく、鍛えれば増やすことが可能です。なお細胞はなくなったら終わりですが、フィラメントは筋トレして増やせば元に戻りますから、非常に心強いですね。つまり、いくら年取っても適切な筋トレをすることで筋肉は増やすことができます。
脳の減少
脳も使わなければ縮小されます。「脳の萎縮」といいます。この脳の萎縮は脳の細胞が少なくなることを指します。脳の細胞とはニューロンのことです。脳は脳細胞から構成されており、脳全体では千数百億個もの脳細胞があります。脳細胞の基本的な構造は、体の他の細胞とほぼ変わらず、エネルギーを作るミトコンドリアやDNAを保持する核などを持ちますが、一つ違うのは、細胞から樹状突起が出ており、他の細胞からの電気信号情報を受け取ります。よく「シナプス」という言葉を聞くと思いますが、シナプスはこの樹状突起上にあり、情報の受け渡しを担っています。
この脳細胞ですが、使わなければ廃棄されます。通常の人の脳では毎日10万個の脳細胞の脱落が起きていると言われます。10万個というと多く聞こえますが、先にあげた通り脳には膨大な細胞がありますので、これによって脳機能に大きな影響を与えることはありません。また、脳の一部には細胞を新生する「幹細胞」が存在するということも発見されており、年をとっても必要であれば細胞が新生していくということがわかっています。
ですので脳は使えば使うほど、縮小を免れることができるといえます。
筋肉の増やし方
若さを取り戻すには筋トレが一番です。この時、激しい筋トレではなく「効率の良い筋トレ」を心がけましょう。
フィラメントは6秒間持続利用することで増えます。この特性を生かし各筋肉部位に力を込めて6秒間キープをするということを繰り返すのが最適です。ちなみに、このような筋トレの方法を「アイソメトリック」といいます。
具体的には以下のように行います。
<例:腕筋肉を増やすアイソメトリック>
- 腕立ての姿勢になる。
- 腕を曲げそのまま6秒間キープ
- これを5回繰り返す。
この例では腕の筋肉の例ですが、同じように腹筋、太もも(スクワット)などを行います。慣れてきたら体の筋肉部位をネットで検索して、筋肉を増やしたい部位に力を入れて6秒間キープするということを繰り返しましょう。各部位とも6秒間キープを5回ずつが最適です。
筋トレの頻度は1日おきが最適
筋トレの頻度は1日置きが最適です。これは筋肉を休ませてフィラメントを増やす時間を適切に与えるためです。実際には毎日やった方が筋肉はより多く増えますが、その増える効率は良くありません。また、筋肉疲労や骨の疲労が発生しやすくなるというデメリットもあります。「長距離ウォーキングを毎日やって膝を痛めた」などの話は、疲労が原因です。ですので、筋トレは1日おきにしておきましょう。
激しい運動は逆に老いを促進させる
最近の健康ブームでマラソンなどの激しい運動が流行っていますが、激しい運動は大きなストレスがかかり活性酸素が大幅に発生します。また、急激な運動は酸素をたくさん必要としますが、その時に十分量の酸素が体内に入ってこなければ、やはり活性酸素が増えます。活性酸素が増えることは万病のもとであり、老化の最大要因であるということは別のブログで解説した通りです。
よく「マラソンしているから健康」と言っている人がシワだらけだったりするのはそういった活性酸素の大量発生が原因です。また、それによって体の各機能や細胞が弱っているところに、無理して運動を続けることで死につながる病気を発生させてしまうことも度々あります。
ですから、運動は「適度にする」のが良いのであって、激しい運動は逆に老いの促進並びに寿命を縮める原因になりますから気をつけましょう。
日の当たる場所での運動も老いを促進させる
マラソンやテニス、サッカーなどの運動は激しさの他に「炎天下の下行う」という最大のデメリットがあります。老いの最大原因は活性酸素と常に伝えてきていますが、その活性化酸素発生の大きな原因が紫外線です。特に紫外線は顔に直撃するのが厄介です。顔に紫外線が当たることでシワやシミを増やします。加えて、帽子を被らずにやると頭皮にも紫外線が降り注ぎ、薄毛、うねり、白髪、パサパサなど髪の悩みの原因になります。「帽子を被れば大丈夫」と思うかもしれませんが、長時間帽子を被ることも実は頭皮にとって良くありません。汗をかくほどの運動中に帽子をかぶっていると頭皮に常在している常在菌のバランスが崩れ、脂漏生皮膚炎の原因になり、それがもとで薄毛を促進することがあります。汗をかかなくても帽子は頭皮を圧迫しますので、長時間の帽子着用は頭皮の血行不良を起こし酸素や栄養を運びにくくします。酸素や栄養不足は先にあげた髪のトラブルの原因になります。
ですから、「若さを保つ」には日のあたる場所での運動を避けるべきでしょう。
次回は「脳の縮小を止める方法」です。お楽しみに!
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